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PAW Gold改とDX90改の改定

この二機種が最近中古価格も落ち着いたからか妙にhotなので、諸々昨年書いた内容に追加して記載したいと思います。

 

また表記法変更につき改めて記載すると、

改→改二・改三、は機能的な差異を伴った変化を指します(バランス出力の有無とか)。

改→改乙や改二→改二丙、は回路的部品的な差異であり機能的な違いはなく、あくまでrevisionとしての改善順です。

 

PAW Gold改乙

ハイ来ましたよコレ。音もさる事ながら見た目は相応にアレインパクトの大きい子ですね。

元々PCM1794の音が一番好きな自分としましてもなかなかのヒットです。そしてその元々の音を踏まえてやりたい放題やってくれ、とのオーダーでありまして、上記2例と同様にクロック交換アナログ回路交換オペアンプ交換、更にI/Vに箔投入など、まぁ普通のメーカーでは出来ないアホの所業の数々を盛り込んでロールアウト。これもほぼワンオフ的なメニューと云っても過言では無い内容ですから、注文の際はやや詰めの相談をしつつ進行する事となりそうです。

こちらは作業の難易度というよりも、ひたすら物量!物量!という戦術なのでお値段が嵩むパターンですね

お値段¥170,000.-ですから相も変わらず高いんですが、相応の音にする事は出来たと思います。

 

(以下12/1追記)

回路を更に変更してGNDに銀線を這わせたりS/N比と位相特性を改善した上で色々やらかしておりますが、何よりも自分がベタ惚れする様な音になったのが大きいです。フィルタの構造にかなり工夫を凝らしたので一線を画せる音になれた、というのが自負としてもありますし、新しいリビジョン扱いとする程の変化であったと確信しています。

散々音は良いんだけど見た目がアレ見た目がアレと言っていた自分ですら結局とうとう買う羽目になりました。

お値段は据え置く事とします。

 

※乙じゃない個体からのアプデですが、実装の手間は掛かるので¥15,000.-となります。

 

PAW Gold改二丙

さてこの長ったらしい名前なんですが、要は「改二」はラインアウトをぶっ潰してバランス出力を取り付ける事に相当します。

丙なのはあーでもないこーでもないやりつつ3番目の回路だったから、です。

PCM1794自体バランス出力ですから、やろうと思えばそのままバランス出力を出す事は可能なのですが、しかし手数も多く高くなるのが見えておりバランス回路の追加は表立ってはやっておらず、お客さん毎のマイナーアプデ扱いだったんです。

しかしその出来に気を良くして調子に乗ってしまいラインナップに正式に加える事となりました。

バランスだけ追加してよと言われても、ハッキリ云ってしまえば改乙で付いてるフィルタ部品との兼ね合いがあってこその、この出音であるのも判明しているので、バランスだけの適用は不可能です。出音的にも回路的にもOK出せなくなります。

お値段は改乙からですと+¥70,000.-です。

でもそれだけの音になれたから、全部でカスタム2個買える値段になってもこの音なら全然イケると判断しました。

珍しく強気です。

大体自分は高いものは高いよって上みたいに正直に言っちゃうんですが、今回は違います…「高いが納得出来る」という程度になったので。

 

DX90改乙

さてこの改造は、627だあーだこーだ単純な話ではありません。

抵抗コンデンサ品質向上全取っ換えと、略されたパスコンの付加、あとDCDCコンバータの強化ですね。これはDX100でも同じ状況に陥るんですが、搭載されるLT3471は非常に強力で、オペアンプが用いる正負電源には見合うスペックなもののかなりノイズを生み出すDCDCでして、1.2MHzのスイッチングがモロに電源に乗ります。なのでそれに合わせたフィルターと低ESR環境を作ってノイズを殺しちゃおう!というオハナシです。

そのうえ用いられているK2MですがRevisionWですから、1世代古いタイプでやや音が伸びないんです。そこを踏まえて是正しつつ音をまとめ上げて行こう、というアプローチ。

コンデンサは状況に応じてKAFXないしはSilmic2を使い分けた上で、I/VOPA1642に固定します(そもそもI/VFET入力以外を使うのはカップリングの無い回路では色々と問題が発生する上にバイアス電流分信号の一部が失われるので普通はやりません…26042134等の指定があればそれはまた別途相談)。上はシャッキリ伸ばしつつクリアに仕上げます。

 

(以下12/1追記)

最近ポツリポツリとDX90の注文がまた入ってきた折、とある関西のお客様からのご注文で特別仕様を作る事となりまして。

その際にPAW gold改乙のノウハウをフィードバックした回路を実験的に投入した所、完全にSabreの音だと思える様な会心の出来になりました。

何が良いって「やっぱり本来この音だよね」と思える情報量と定位、そして抜群のS/N比です。

そりゃ奢るところ奢ればこうもなるよね、というだけの事ですし、そりゃそうだろって話でもあるんですが。

 

お値段¥50,000.-という事で従前よりも40%以上の値上げ且つ中古価格余裕で上回りますが全然オッケーオッケー。

この音で5万なら全然安いです。寧ろジャンジャン注文してもらってジャンジャン驚いて欲しい…そんな感じです。

 

商売っ気をあまり出さない自分が、いつになく珍しくイケイケドンドンな感じなエントリなんですが、

つくづく思うのが、今回のPaw改乙のノウハウはかなり汎用性高いので、今から自分のAK120にでも適用しようかと…

そんなレベルでの個人的イノベーションでした。

この2機種は本当にオススメしたいですねぇ。両者とも素体はやっぱり中華であり物量投入型である事なのが奏功した、という事でしょうか。

 

以上乱文長文失礼しました。

| 改造/保守 | 09:00 | - | - | pookmark |
【番外編2】 AK70改について。 (12/1 追記)

はい。えーまさかの番外編2です。

 

本日デビューという事で破竹の勢いを見せるAK70ですが、約束された覇権であり当然の流れでしょうね。

まず試聴して一聴で分かる駆動力の違g…みたいな感想は他の人に任せるとしましょう。

さてエントリークラスと銘打ちつつ実態はそうでもないこの中身ですが、本当によくここまで入れてきたなと感心する事しきり。

LPFにOPA1622、シングルエンドの増幅段にOPA1612という事で、アナログ部の物量のみ鑑みればAK380を始めとする上位機種と渡り合えるものを持っています。(いやまぁ駆動力を考えればOPA1622の方が上とかBTLはディスクリ説が出回ってますが、ディスクリではないとかゲフンゲフン)

普通に考えればブランド戦略上・製品戦略上どうなんだ…?とも云えるのですが、この設計哲学を今後も堅持していくのであれば市場形成の上では非常に健全で素晴らしい事だと云えましょう。

全く不満も無く改造する必要のない素晴らしい製品です。

イジるとすれば、いつもの1ppmTCXO・コンデンサ・出力インピーダンス低減・電源周り・フィルタ…という流れを丸々全部含めちゃいます。(AK100C2と同様、って事ですね)

基板の配置は300系と同様にアナログ部にステンレスシールドが付いてしまっているので、物理的に余り余裕があるワケでもなく一応頑張って色々とネジ込んでいます。今回はデジタルが同軸では無くUSB出力ですから、その分手数が減るのも有難い(?)のですよ。

元々第二世代の100II同様にCS4398が1発で、こちらとしてもどこを奢れば改善するかは分かってますから、そんな意味でも楽な方です。

 

一応予価として3.5万という事で見ていましたが、特に変更するべき予想外の出来事も無く安定的に運用出来ているのでそのままGOを出し、¥35,000.-とします。

 

※以下12月追記

 

ここで一つ亜種の追加となります。とは言え、もう改の段階で手を入れるところは無かろうという判断をこっちでしている以上は飽くまでオプションとしての提示です。

その名もAK70改乙という事で何の変哲も色気も無い名前ですが、今後命名法は甲乙丙丁の順番でのリビジョン表記となります。(甲は表記しませんが)

7月の上記発表以来、玉数の多さも相まってちょいちょい入っていた注文なんですが(バタバタしててスミマセン)、改造前の状態に比してもっと上をもっと上をという声がチラホラと入ってくるもので…

改の段階でそれなりに上はキレイに伸ばしてはいたんですが、もうちょい上を足せないか?という事でリビジョン違いとして手直しの要請があり施工した事から、オプションとしての提示もアリだなと思った次第です。

 

何をやったか?というのは上記内容に加えて、CPU周りのデジタル電源強化とDAC周りのシグナルパスじゃない部分のフィルタの定数変更を行っています。

ただつくづく予想外であったのが、フィルタを通る電流が余りにも小さいので音が落ち着くまで300時間以上掛かるという所でしょうか…

この施工で中域の表現の精緻さや、高域の分離も情報量も予想外に改善されておりAK240と同様の性格な変化が起きているという印象がありますが、ただ実際のオシロで見るレスポンスよりも高域の主張が強いな(キンキン来るんじゃないんですが、量は増える)という印象があります。

よって、元々の「改」の音域のバランスで上に満足出来なかったらこのオプションを適用する、という流れが着実且つ妥当なのではないかと判断しています。

 

料金は+¥5,000.-都合4万という所なんですが、勿論既に改を施工済な方への対処も今まで通り可能です。

 

以上宜しくお願い致します。 (12/1追記)

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